2012年4月2日 (月) 22:33
V.E.フランクル著「夜と霧」を読みました。
著者は、第二次世界大戦中アウシュビッツの強制収容所に入れらていた
ユダヤ人の精神科医であり心理学者です。
自分がいかにして生き延びてきて、周りの人がどのように亡くなって行ったかが書かれているが、
その環境の壮絶で、一度読むことを断念するほど、 凄惨な光景が浮かんできてしまいます。
「人生とは、 各人に課する使命を果たすこと、 日々の務めを行うことに対する責任を担うことに他ならない。」
「生きることそのものに意味があるとすれば、 苦しむことにも意味があるはずだ。
苦しむこともまた生きることの一部なら、 運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。
苦悩と、そして死があってこそ、 人間という存在ははじめて完全なものになるのだ。」(本文より)
このように極限で人間がどう考えるか、どう行動するか、
その理由はどこにあるかといったことが書かれていて
読めば読むほど身につまされ、人というものの本質を突きつけられている。
二度とこのような悲劇を繰り返さないように、戦争を知らない我々の世代、
またもっと下のこれからの世代の方々も
数十年前に起こった事実を、歴史に埋もれさせず、きちんと知ることが重要だと思いました。