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口腔内の悪玉菌、がんの転移促進にまで関与

2021年8月8日 (日) 08:55

口腔内の常在菌のバランスが乱れ、虫歯菌や歯周病菌などの悪玉菌が優勢になることで、

口腔内に留まらず全身の健康に対しても悪影響を及ぼすことが近年の研究で明らかにされている。

なかでも細菌の塊である「プラーク」や舌表面に付着する「舌苔」を放置することで、

歯周ポケットにプラークが溜まり、歯茎が炎症して溝が深くなることで歯周病となる。

 

厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」によると、

2017年の「歯肉炎および歯周疾患」の総患者数(継続的に治療を受けている者)は、

398万3000人で、前回調査よりも約67万人増加している。

また同省が5年ごとに実施している歯科疾患実態調査では、2016年の年代別の歯周病有病率は、

30~60代にかけて高く、30代以上では3人に2人と、歯周病はまさに国民病と言える状況となっている。

 

専門家への取材から、口腔内の乱れが全身疾患に繋がる一例を挙げると、

歯周病菌が作り出すタンパク分解酵素が、口腔内の粘膜を破壊してウイルスや細菌の侵入を許し、

ウイルス性・細菌性疾患の重症化の危険性を高めるという。

さらに歯周病菌が血液に入り込み、全身を巡ることで糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞をはじめ、

アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドβを増やすことも明らかにされているという。

 

最近の研究では、歯周病菌の一部が胃を通過して腸管に入り込み、腸管内の細菌叢を乱すことで、

大腸がんの原因になること、がんの転移を促進すること、

さらには食道がんや関節リウマチなどの病態とも関連しているとの研究データも出ているという。

オーラルヘルスケアはまさに、全身疾患を予防する1丁目1番地だ。

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