2022年10月13日 (木) 09:58
近年、睡眠はさまざまな病気と関係していることがわかっている。
睡眠不足になると、がん、心臓病、糖尿病、認知症、うつ病などの
リスクが高くなると報告されていて、さらには「歯周病」にもかかりやすくなるという。
睡眠不足になると、自律神経のバランスが乱れ、病原体を排除するNK細胞の活性が低下したり、
免疫システムに広く関わるIL-2というサイトカインの産生が抑制されることがわかっている。
免疫力が低下すれば、口腔内の歯周病菌が増殖しやすい環境がつくられることになる。
また、睡眠時間が短くなると唾液の量が減少する。
唾液には、口腔内の細菌や食べ物のカスを洗い流す洗浄作用や、
口腔内に侵入した細菌の活動を抑え込む抗菌作用があるため、
分泌量が減ると歯周病を招くリスクがアップする。
米国で行われた大規模研究では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの睡眠呼吸障害(SDB)がある人は、
そうでない人と比べると、重度の歯周病を合併している調整オッズ比が無症状の呼吸障害で40%、
軽度で60%、中等度及び重度で50%高かった。
ほかにも、東北大学が高齢者を対象に実施した調査により、
残っている歯の本数が睡眠時間に影響することがわかっている。
同じく残っている歯が1~9本の人も、短時間睡眠のリスクが1.3倍、
長時間睡眠のリスクが1.5倍高いと報告している。
睡眠不足も歯周病も、がん、心臓病、糖尿病、認知症といった全身疾患のリスクをアップさせる。
健康長寿のためには、質の良い睡眠と口腔ケアは欠かせない。