2023年5月12日 (金) 19:41
東京都健康長寿医療センターは4月20日、
肉類摂取が高齢期のフレイル予防の栄養ケアとして有効である可能性について発表した。
日本は、世界でもまれにみる超高齢社会であり、
要介護の前段階であるフレイル対策が課題となっている。
そしてそのフレイル対策の食事としては、たんぱく質を不足させないことが重要であることが知られている。
たんぱく質の主要な摂取源の一つである肉類は、
アミノ酸スコアが高いことがわかっているものの、年齢が上がると摂取量が減少しやすい食品である。
また、肉類に含まれるイミダゾールジペプチドは、
膝伸展力・片足開眼立ちの向上に関連することが報告されており、
十分な肉類の摂取はフレイル予防に効果的であるとされてきた。
聞き取りによる基本情報の調査や食事調査、血清アルブミン値の測定、歩行速度、握力、身体組成の測定を行った。
その後は、対象の512名を食肉の摂取量(エネルギーベース)により3グループに分け、
フレイルに関連する指標との検討を行った。
その結果、肉類摂取量の多いグループでは、最大歩行速度がもっとも速くなった。
さらに詳細な分析を行い、性別や年齢等を調整した結果においても、
肉類摂取量の多いグループの方が最大歩行速度は速いことが明らかになった。
今回の研究では、高齢期のフレイル予防の栄養ケアとして肉類が有効である可能性が示唆された。
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