9/15(日)は勉強会のため休診とさせていただきます。
手足口病の流行が拡大している。
この時期の感染者数としては、過去10年で最多だ。
この時期に手足口病が増えているのは、2つの可能性が指摘されている。
1つはコロナ禍で外出を自粛する人が増えたため、流行が抑制され、集団免疫が低下したこと、
2つめの可能性は、コロナ後遺症として免疫力が低下する可能性だ。
手足口病はその名の通り、口の粘膜、手、足に症状が出るウイルス性の感染症で一般的には軽症だ。
感染すると3~5日の潜伏期間をおいて、
口腔粘膜、手のひら、足の裏や甲などを中心に直径2~3 ミリの水疱ができる。
約3分の2の感染者は発熱せず、発熱した場合でも、多くは38℃以下だ。
水疱は3~7日程度で自然に消退する。
ただ、一部の患者は急性髄膜炎を合併し、重症化することがある。
稀だが、急性脳炎を引き起こすこともある。
では、手足口病とどう付き合えばいいのか?
ポイントは、「どんなに感染対策を強化しても、手足口病の原因となるウイルスからの感染を、
完全に防ぐことはできないことを認識すべき」だ。
インフルエンザや新型コロナの流行期には、アルコール消毒やせっけんでの手洗いが推奨されるが
手足口病については、このような効果は期待できない。
手足口病のウイルスはインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスが有する
エンベロープ(ウイルス粒子を囲む膜のようなもの)を持たない。
一般的な感染対策として手洗いは有効でマスクやうがいも一定の効果はある。
それでも、限界があることを認識しておこう。
感染は避けては通れないことを認識し、感染対策を十分に講じつつも、あまり心配せず、鷹揚に対応しましょう。