2024年12月26日 (木) 16:47
岡山大学は手術前後の「ガム咀嚼トレーニング」が食道がん術後の口腔機能低下や、
発熱などの術後合併症予防に有用であることを世界で初めて確認したと発表した。
食道がん手術は、術野が頸部、胸部、腹部と広範囲であり、
消化管手術の中でも特に侵襲が大きく、誤嚥などの術後合併症リスクが高い手術である。
手術は根治を目指す優先度の高い治療法の一つだが、
術後は口腔機能が低下し、サルコペニア、フレイルが急激に進行する。
実験の結果、嚥下機能の評価指標の一つである舌圧が低下した患者の割合が
76.0%から44.0%に有意に低下したことを確認した。
また、ガム群では、術後の舌圧低下が予防されただけでなく、
手術によるダメージがあっても舌圧が向上。
さらに、ガム群では、術後の発熱期間が有意に減少した。
これらのことから、食道がん手術前後のガムを噛むトレーニングは、
術後の嚥下機能の低下を安全に予防し、さらには嚥下機能を向上させて、
術後の誤嚥、それに続く発熱、肺炎を予防する可能性があると考えられた。