2025年10月31日 (金) 10:19
2025年10月13日 (月) 17:53
最近、「口腔機能低下症(こうくうきのうていかしょう)」という言葉を耳にすることが増えてきました。
これは、かむ・飲み込む・話すといったお口の働きが、年齢や生活習慣などで低下している状態をいいます。
お口の機能が落ちると、食事がしづらくなったり、むせやすくなったり、栄養状態の悪化にもつながります。
また、放っておくと誤嚥性肺炎やフレイル(虚弱)のリスクが高まるため、早めのチェックが大切です。
お口の中で、食べ物を押したり飲み込んだりする中心的な役割を担っているのが「舌」です。
その舌の力を「舌圧(ぜつあつ)」と呼びます。
舌圧が低下すると、
食べ物をうまくまとめられない
飲み込みに時間がかかる
むせやすい
といった症状が現れることがあります。
弦間歯科医院では、専用の舌圧測定器を使って舌の力を調べる「舌圧検査」を行っています。
方法はとても簡単で、
口の中に小さな風船のようなセンサーを入れ、舌で上あごに押しつけるだけです。
その力が数値で表示されるため、舌の筋力を客観的に確認することができます。
一般的な目安としては、
成人男性:40kPa以上
成人女性:30kPa以上
とされています。
それより低い場合は、舌の筋力低下が考えられます。
舌圧が弱っている場合でも、トレーニング(舌筋訓練)で改善が期待できます。
たとえば、
舌で上あごを強く押す運動
「パ」「タ」「カ」などを繰り返し発音する練習(オーラルディアドコキネシス)
専用のトレーニング器具を使う
といった方法があります。
毎日少しずつ続けることで、飲み込みや発音が改善し、食事を楽しめるようになります。
「最近むせやすい」「食べ物を飲み込みにくい」などの症状は、口腔機能低下症のサインかもしれません。
弦間歯科医院では、舌圧検査をはじめとした口腔機能のチェックを行っています。
お口の健康を維持し、いつまでも食事を楽しむために、ぜひ一度ご相談ください。
2025年10月5日 (日) 15:43
京都大学の研究チームが、
iPS細胞から顎の骨を再現することに成功したというニュースが話題になっています。
これまで失われた顎の骨を回復させるには、
自分の骨を移植するなどの大きな手術が必要でしたが、
この研究によって、
将来的には患者さん自身の細胞から新しい骨を作ることが可能になるかもしれません。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、皮膚や血液の細胞から作られ、あらゆる細胞に変化できる「万能細胞」
今回、京都大学ではiPS細胞から顎の骨に似た硬い組織を作り出すことに成功
将来的には、骨再生医療や新しい薬(創薬)の開発に役立つと期待されています
インプラント治療前の骨造成(骨が足りないケース)
事故や腫瘍で失われた顎骨の再建
歯周病などで骨が溶けた場合の再生治療
現在はまだ研究段階ですが、
「自分の細胞から失われた骨を再生できる」未来が、少しずつ現実に近づいています。
再生医療は、歯科の世界でも確実に進歩しています。
今はまだ臨床応用まで時間がかかりますが、
10年後には“自分の細胞で自分の骨を治す”時代が来るかもしれません。
患者さんにとっても、治療の選択肢が広がる大きな一歩です。