2025年12月23日 (火) 09:48
私たちは毎日、食事や会話で無意識のうちに歯を使っています。
そのときに働く「咬む力(咬合圧)」は、歯やあごの健康状態を知る大切な手がかりになります。
咬合圧(こうごうあつ)とは、「食べものをかみ砕くときに歯がかける力」のこと。
成人では平均で50〜70kgもの力があると言われています。
ただし、歯の本数が減ったり、噛み合わせのバランスが崩れたりすると、この力は弱くなってしまいます。
専用のセンサーシートを使って、どの歯でどのくらいの力がかかっているかを
“見える化”できるようになりました。
これにより、
・噛み合わせのバランス
・義歯や被せ物の調整具合
・食べにくさの原因
などが客観的に確認できます。
咬む力が弱いと、
・食事がしにくい
・顎や筋肉が疲れやすい
・口腔機能低下症のリスク
につながることもあります。
また、噛む力が偏ると歯の寿命にも影響することがあります。
当院では、咬合圧を測定し、患者さん一人ひとりに合った噛み合わせや義歯の調整を行っています。
「しっかり噛める」「食事がおいしい」をサポートするための検査です。
測定は短時間で痛みもなく、結果はすぐにご覧いただけます。
(保険診療では適応した病名が必要になります)
入れ歯やかぶせ物を新しくした方
最近、食事がしにくいと感じる方
顎の疲れや噛み合わせの違和感がある方
お気軽にご相談ください。
2025年10月5日 (日) 15:43
京都大学の研究チームが、
iPS細胞から顎の骨を再現することに成功したというニュースが話題になっています。
これまで失われた顎の骨を回復させるには、
自分の骨を移植するなどの大きな手術が必要でしたが、
この研究によって、
将来的には患者さん自身の細胞から新しい骨を作ることが可能になるかもしれません。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、皮膚や血液の細胞から作られ、あらゆる細胞に変化できる「万能細胞」
今回、京都大学ではiPS細胞から顎の骨に似た硬い組織を作り出すことに成功
将来的には、骨再生医療や新しい薬(創薬)の開発に役立つと期待されています
インプラント治療前の骨造成(骨が足りないケース)
事故や腫瘍で失われた顎骨の再建
歯周病などで骨が溶けた場合の再生治療
現在はまだ研究段階ですが、
「自分の細胞から失われた骨を再生できる」未来が、少しずつ現実に近づいています。
再生医療は、歯科の世界でも確実に進歩しています。
今はまだ臨床応用まで時間がかかりますが、
10年後には“自分の細胞で自分の骨を治す”時代が来るかもしれません。
患者さんにとっても、治療の選択肢が広がる大きな一歩です。
2025年9月7日 (日) 07:13
35歳以下で発症し、急速に進行して歯が抜ける「侵襲性歯周炎」について、
原因遺伝子の1つが「MMD2(エムエムディーツー)」と呼ばれる遺伝子であることを
広島大学の研究グループが明らかにした。
歯周病は中高年の病気と思われがちですが、10代や20代でも重症化するケースがあります。
特に「侵襲性歯周炎」と呼ばれるタイプは、若年層で急速に進行し、歯を失う大きな原因となります。
通常の歯周病と違い、進行スピードが速く、短期間で歯の支えとなる骨が失われる。
プラークや生活習慣だけでは説明できず、家族内で似た発症パターンが見られることも。
近年の研究で、免疫応答や炎症に関わる特定の遺伝子変異が関与していることが明らかに。
例えば、好中球の働きに関連する遺伝子や、炎症性サイトカインに影響する遺伝子が注目されている。
遺伝的要因があると、通常よりも細菌に対する体の防御がうまく働かず、重症化しやすい。
遺伝子が関わっていても、「必ず発症する」わけではない。
定期検診、プロのクリーニング、正しい歯磨きで進行を防ぐことが可能。
家族に若くして歯を失った人がいる場合は、特に早めの検診が大切。
若いから大丈夫、と思っていても油断は禁物。
侵襲性歯周炎は遺伝的な背景を持つことがあるが、早期発見・予防で歯を守ることができる。
気になる方は歯科医院でチェックを受けましょう。
2025年8月13日 (水) 07:24
歯周病は歯ぐきや骨が破壊される感染症ですが、
最近の研究で全身の健康にも深く関わっていることがわかっています。
進行しても痛みが少ないため、気づかないうちに体へ負担をかけていることもあります。
歯周病菌が血液中に入り込むと、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まります。
炎症物質が血管の内側を傷つけ、血栓ができやすくなるためです。
糖尿病は歯周病の進行を早め、逆に歯周病は血糖コントロールを悪化させます。
「お互いを悪化させる関係」にあるため、治療は両方同時に行うことが大切です。
歯周病がある妊婦さんは、早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。
原因は炎症性物質が胎盤に影響を与えるためです。
歯周病菌が作る毒素が脳に入り込み、
アルツハイマー型認知症の発症や進行に関与している可能性が報告されています。
・毎日の丁寧な歯磨き(特に歯と歯ぐきの境目)
・定期的な歯科検診(年3〜4回)
・生活習慣の見直し(喫煙・食生活・睡眠)
・初期治療の早期開始(出血や口臭があれば早めに相談)
歯周病は「口だけの病気」と考えられがちですが、
命に関わる全身疾患の引き金になることがあります。
早期発見・早期治療で、健康な歯ぐきと身体を守りましょう。
2025年7月7日 (月) 09:28
骨粗しょう症の治療薬には、骨を強くする効果がある一方で、
まれに顎の骨が壊死(えし)してしまう副作用があることをご存じでしょうか?
この記事では、そのリスクと予防策について、歯科の視点からわかりやすく解説します。
顎骨壊死とは、顎の骨の一部が血流不足などにより壊死してしまう状態のことです。
歯ぐきが腫れたり、治りにくい傷ができたり、骨が露出することもあります。
これは、特定の骨粗しょう症治療薬(特にビスホスホネート製剤やデノスマブなど)を
使っている方にごくまれに見られる副作用です。
以下の薬剤が関連するとされています:
ビスホスホネート製剤(BP製剤)
例:アレンドロン酸(フォサマック)、リセドロン酸(アクトネル)など
デノスマブ(商品名:プラリアなど)
一部の抗がん剤(骨への転移抑制薬)
これらは骨の代謝を抑えることで骨を丈夫にする一方、顎の骨の回復力が低下することがあります。
歯を抜くなどの外科処置が原因で、骨に直接刺激が加わるため
口の中は細菌が多く、感染が広がりやすい環境であるため
◆ 顎骨壊死を防ぐためには?
骨粗しょう症の治療を始める前に、歯のチェックや必要な治療を済ませておくことが大切です。
特に抜歯が必要な歯は、薬を使う前に処置しておくと安心です。
毎日の歯みがきを丁寧に
定期的に歯科でのクリーニングを
歯ぐきの腫れや痛みを放置しない
治療を安全に進めるために、現在使っているお薬の情報は正確に伝えることが重要です。
特に「骨粗しょう症のお薬を使っている」と教えていただけると、抜歯などの際に適切な処置ができます。
2025年6月8日 (日) 11:44
こんにちは。弦間歯科医院です。
今回は、お子さんの「かむ力」と「肥満」の関係についてお話ししたいと思います。
実は最近の研究で、「よくかめない子は肥満になりやすい」
という驚きの事実が明らかになっています。
よくかむことで、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。
ところが、かむ力が弱いと、食べ物を早く飲み込んでしまい、
満腹感を得る前に食べすぎてしまう傾向があります。
また、よくかまない子は、柔らかくて高カロリーな食べ物を好む傾向にあるため、
栄養バランスが偏りやすく、肥満のリスクも高くなります。
・歯並びやかみ合わせの問題
・虫歯や歯の喪失
・あごの発達不足(口呼吸の影響など)
・食生活の変化(やわらかい食べ物中心)
これらの要因が重なることで、「よくかめない」状態が続いてしまいます。
当院では、お子さんのかみ合わせやあごの発達状況をチェックし、
必要に応じて矯正治療や生活習慣指導を行っています。
また、定期検診で虫歯や歯肉炎の早期発見・治療を行うことで、
「しっかりかめるお口づくり」をサポートします。
・よくかむ習慣をつける(1口30回を目標に)
・食材を大きめに切ったり、歯ごたえのあるメニューを取り入れる
・姿勢よく食べる(あごの成長に影響します)
お口の健康は、全身の健康にも深く関わっています。
特に成長期のお子さんにとって、「かむ力」はとても大切な発達要素のひとつです。
「うちの子、あまりかんでいないかも…」と気になった方は、お気軽にご相談ください。
私たちがしっかりサポート致します。
2025年5月24日 (土) 05:27
皆さんは最後に歯医者に行ったのはいつですか?
「痛みがないから大丈夫」「忙しくてつい後回しに…」という方も多いのではないでしょうか。
でも実は、歯の健康を保つためには“定期的なメンテナンス”がとても大切なんです。
歯科でのメンテナンスとは、虫歯や歯周病の予防・早期発見のための定期的なチェックとクリーニングを指します。
主な内容は以下の通り:
・歯石除去
・歯の表面のクリーニング
・歯ぐきのチェック
・コントロール不良部のブラッシング指導
虫歯や歯周病は初期にはほとんど自覚症状がないため、気づいたときには進行してしまっていることが多いです。
定期的なチェックを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
特に歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれており、進行すると歯を失う原因にもなります。
一般的には3ヶ月~6ヶ月に1回の受診がおすすめです。
患者さんの口腔内の状態によって頻度は異なるため、歯科医師と相談しながら決めましょう。
健康な歯で美味しく食事をするためには、「痛くなる前に歯医者へ」が鉄則です!
メンテナンスは「治療」ではなく「予防」。
将来の自分の歯を守るためにも、ぜひ定期的な受診を心がけてくださいね。
2025年4月27日 (日) 21:02
弦間歯科医院の公式ブログへようこそ。
本日オーラルスキャナーセミナーに行ってきました。
今回は、当院で導入したオーラルスキャナーについて、歯医者の立場から詳しくご紹介したいと思います。
これから治療を受ける方にとって大きなメリットがたくさんあるので、ぜひ最後までご覧ください!
オーラルスキャナーとは、従来の「型取り」が不要になる、最新の口腔内デジタルスキャン機器です。
歯型をシリコンなどで取る代わりに、小型カメラでお口の中をスキャンし、正確な3Dデータを取得します。
これにより、より快適かつスピーディな治療が可能になります。
~歯医者がすすめる!オーラルスキャナーのメリット5選~
オーラルスキャナーなら、あの独特な「苦しい型取り」が不要です。
嘔吐反射が強い方も、ストレスなく診療を受けられます。
従来の手作業による誤差を減らし、より高精度な被せ物や矯正装置が作れます。
治療のクオリティがぐっと向上します!
スキャンデータは即座に技工所へ送信できるため、補綴物の完成が早く、結果的に治療期間を短縮できます。
取得したデータは長期保存できるため、再製作や経過観察にも役立ちます。
治療履歴の管理もデジタルでスマートに!
3Dデータをモニターに映しながら説明できるので、自分の口腔内の状態を直感的に理解できます。
インフォームドコンセント(説明と同意)もより丁寧に行えます。
オーラルスキャナーは、歯医者にとっても患者様にとっても大きなメリットばかり。
当院弦間歯科では、これからも最新技術を取り入れ、皆様に快適で質の高い歯科治療を提供してまいります。
気になる方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください!
2025年4月21日 (月) 12:57
最近、次のようなことに心当たりはありませんか?
・食事中にむせやすくなった
・しゃべりづらい
・噛む力が弱くなってきた
・口が乾きやすい
・舌が動かしにくくなった
これらはすべて、「口腔機能低下症」のサインです。
簡単に言うと、「お口の働きが年齢などによって衰えてきた状態」です。
口の中の筋肉や感覚、唾液の分泌、咀嚼・嚥下(飲み込み)などの機能が少しずつ低下していき、
放っておくと食事や会話、さらには全身の健康にまで影響を及ぼします。
なんと50代の約半数、60代の60%、70代は80%以上が該当すると言われています。
口腔機能が低下すると…
・食事がしづらくなり、栄養不足に
・飲み込みが悪くなると誤嚥性肺炎のリスクが上昇
・会話がしづらくなって人との交流が減る
・噛む力の低下で認知機能にも影響があるとも言われています
つまり、お口の機能は「健康寿命」に直結しているのです!
当院では以下のような検査・サポートを行っています。
✅ 口腔機能のチェック(舌圧・咀嚼力・唾液量など)
✅ トレーニングの指導(オーラルフレイル予防)
✅ 義歯や噛み合わせの調整
必要であれば医科やリハビリと連携して、患者さん一人ひとりに合ったケアを提供しています。
口腔機能は「目に見えにくい不調」だからこそ、気づいたときにすぐ対応することが大切です。
「ちょっと気になるかも…」と思った方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院は、お口の健康を守ることで、
「しっかり食べて、楽しく話して、元気に暮らせる」毎日をサポートします!
今季の弦間歯科医院 院内新聞にも内容を載せていますので
ご希望の方はお気軽に申し付け下さい。
2025年3月13日 (木) 17:06
歯周病は慢性炎症疾患で、糖尿病のリスクファクターの1つであり
糖尿病の進行にも影響を与える。
東北大学大学院講師の草間太郎先生らは10万人の糖尿病患者を大規模追跡し
歯周病の治療と糖尿病の合併症の1つ人工透析移行のリスクの関連を調べた。
その結果、歯科の受診なしのグループに比べ、
1年に1回以上歯科受診したグループで32%
半年に1回以上歯科受診したグループでは44%と
定期的に歯周病治療で受診しているグループで有意に
リスクが低いことが判明した。
なお歯周病治療以外での歯科受診のグループでは有意な差は
見られなかった。
この研究は糖尿病治療において医科歯科の連携を緊密にして
包括的なケアを提供すれば糖尿病の合併症予防、
また社会全体の医療費削減に繋がることが考えられる。
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