2020年12月31日 (木) 16:49
色々あった2020年が終わろうとしています。
今年は何といっても「新型コロナウイルス」、これに尽きると思います。
世界中の人々が翻弄された年ということで集約されそうです。
歯科治療では春先に読売や日テレ系の一部マスコミが歯科による感染が危ない、
というデマの報道がなされて大変でしたが、
結局明確にドクター→患者、患者→患者というクラスターの発生はなく、
今では口腔ケアが出来ていない人は感染しやすいとまで言われるようになりました。
当医院も以前のようにどんどんと患者を入れ替えるわけにもいかず、
今までは器具の滅菌は徹底的にするというものが椅子、ドアの取っ手、スリッパから
何もかも消毒清掃して、という行程が増えたために、患者さんを入れられる絶対数は減りました。
これらは患者様に安心して治療を受けてもらうためなので来年以降もずっと続きそうです。
これらを本当に頑張ってくれたスタッフ達に心から感謝しております。
来年以降もコロナ渦はまだ続きそうですが、
患者様のお口の健康をお守りするために頑張りますので
弦間歯科医院、スタッフ共々よろしくお願い致します。
2020年11月30日 (月) 08:17
新型コロナウイルスの感染拡大の中、歯科治療を
躊躇われている皆様へ
歯科治療が不要不急か迷われている患者様へまた新たな見解が出ました。
要約すると
「GOBankingRates」各職業のコロナのリスクスコアが高い歯科医院だが
歯科診療を介しての感染は(10月20日時点で)一例も報告がありません。
歯科診療でコロナ感染が起きていない理由として、やはり消毒の徹底が挙げられるという。
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)による滅菌の施行、消毒アルコール、
次亜塩素酸ナトリウムによる消毒の習慣がコロナ以前から身に付いている。
歯周病と全身の重症疾患の関係が報告されています。
歯科は定期的に、継続的に通い、管理をすることが重要です。
特に大切なのは軽症者で、自分は歯周病じゃないと思っていてもケアが必要で、
重症化予防をする必要があります。
長期間プロフェッショナルなケアが受けられないと悪化する可能性があります。
継続的に口腔内の衛生管理をすることが健康寿命につながります。
当医院ではスタッフの体調管理(就業前の毎日の検温)、
器具等の滅菌、消毒の徹底、
患者様の治療が終わる度の診療室の窓を全開にしての換気、
3蜜を避けるアポイントを取ることを徹底しております。
安心して治療、メンテナンスをお受けいただけます。
2020年10月31日 (土) 21:47
京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞して、
ips細胞(人工多能性幹細胞)による再生医療にたくさんの期待と関心が高まっています。
ips細胞とは、「受精卵のように、体中のあらゆる細胞になれる能力を持つ」という意味で、
2006年に山中教授が世界で初めて作製しました。
歯科では、今年の2月に東北大大学院歯学研究科の福本敏教授の研究グループが、
世界で初めてips細胞から歯のエナメル質のもとになる細胞を作ることに成功したと発表しました。
人の歯は、エナメル質、象牙質、セメント質からできていています。
歯の表面を覆うエナメル質は人の体の中で最も硬い組織で、栄養を体にとりこみやすくするために、
食べ物をしっかり噛むという大切な役割をもっています。
しかし、一旦、虫歯が進行して治療のために削ったり、事故で割れてしまったりしたら、再生することはできません。
今は、金属の銀歯やセラミックなどのクラウン、詰め物で修復しています。
再生治療の研究が進んでいけば、いつかは失った歯が再生できる時代がくるかもしれません。
それまでは、しっかり歯磨きをして虫歯や歯周病を予防して、自分の歯をできるだけ長持ちさせましょう。
2020年8月29日 (土) 16:22
口は、ウイルスなどの病原体が入ってくる入り口です。
口を健康に保つことは、感染症対策に大いに役立ちます。
コロナ対策としても知っておきたいことを、大阪大学歯学部付属病院顎口腔機能治療部の阪井丘芳教授に聞きました。
コロナウイルスは、受容体と考えられている『ACE2』に結合し、ヒトの細胞へ侵入します。
ACE2は肺だけでなく、体のさまざまな細胞に発現していますが、唾液腺にもかなり存在することが大掛かりなデータベースで判明しています。
つまり、唾液腺にコロナがまず感染し、唾液腺から分泌した唾液を介して体内に拡散している可能性があるのです。
そこで重要になってくるのが「むせる力」です。唾液などが誤って気管に入ると、通常はむせたり咳き込んだりして気管外に唾液を吐き出します。
ところが高齢になってむせる力が衰えると、それができない。これを不顕性誤嚥といいます。
コロナウイルスを含む唾液が気管にとどまって気管がコロナウイルスに感染し、ウイルスが肺にまで広がり、肺炎を起こしてしまうのです。
高齢者は誤嚥性肺炎で命を落とすリスクが高いが、これは不顕性誤嚥を起こしやすいからです。
同時に、不顕性誤嚥でコロナへの感染・発症率も高くなると考えられます。
そうならないためにはよく噛んでしっかりのみ込んで喉の筋力が低下しないよう努め、
唾液のウイルスを少しでも減らすため、うがいや歯磨きなどの口腔ケアを徹底して行うことが必要です。
徹底した口腔ケアが肺炎やインフルエンザの発症率を抑えることは、複数の研究で証明されています。
コロナに関してはまだ研究がなされていないものの、同様の結果が期待できます。
2020年7月31日 (金) 17:57
2002年に流行したSARS、12年のMERSはすべて「コロナウイルス」です。
この時のデータから、分かっていることがあります。歯周病菌とコロナウイルスの関係です。
人の口腔内には歯周病菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスなど)があって、肺炎や心内膜炎、大腸がんの原因になるといわれています。
咽頭にはコロナウイルスが侵入できる標的細胞が存在します。
この細胞集団は糖タンパクによって守られていて、ウイルスが容易に侵入できないようにしています。
歯周病原菌などから産生されるプロテアーゼはこの糖タンパクを破壊することもあり、ウイルスの侵入を助けていることが分かりました。
もっとも、「新型コロナウイルス」についてはまだデータはないのですが、これまでのコロナウイルスと同じように考えています。
だから、歯周病患者や口腔内が汚れている人は、予防しなければなりません。
コロナウイルスは唾液にも含まれるので、「歯磨き」「舌ブラシによる掃除」「うがい」のセットが効果的です。
うがいは喉の奥までしっかり行き渡るようにしたいですね。
うがい薬では、「リステリン」のアルコールが有効とされていますし、「イソジン」や「ネオステリン」も効果が期待できます。
歯磨きは毎食後3分、寝る前に3分、1日4回はしてほしい。うがいは歯磨きの前にするのが理想です。
また3月に、米紙ニューヨーク・タイムズが歯科医院を感染リスクが高い危険な場所として取り上げました。
そのため、世界中で歯の治療を躊躇する動きがありましたが、実際は逆です。
「必要不急」の場所ですから、虫歯に限らず、歯石を除去するスケーリングやメンテナンスもやった方がいい。
口腔内を清潔に保って、予防しましょう。
東京歯科大学口腔がんセンター長の柴原孝彦先生のご説明を引用しました。
2020年5月22日 (金) 08:57
先日、埼玉県歯科医師会 会長の大島先生が発信した新型コロナウイルス感染症の
感染予防、重症化予防と口腔ケアの関係についての動画です。
要約すると、感染への恐怖から歯科受診をためらっていらっしゃる方もいると思います。
ただ自己判断で治療を中断、延期すると虫歯や歯周病は悪化します。
口腔内の環境が悪くなればオーラルフレイル、そして全身のフレイルにもつながります。
歯周病は心疾患、脳血管疾患や糖尿病を悪化させますし、
口腔内の細菌は誤嚥性肺炎のリスクを高めます。
口腔細菌はインフルエンザの感染にも深く関わり抗インフルエンザ薬の薬効も
著しく低下させるという報告もあります。
口腔の衛生管理をすることは新型コロナウイルスの
感染予防にも有効と考えられています。
歯科医院は今までも様々な細菌やウイルスによる感染症との闘いでしたので
徹底的な衛生管理をしてきました。
また新型コロナウイルス感染拡大の中、新たに徹底した衛生管理、
診療室の滅菌、換気などを行って今まで日本では
歯科医院からの新型コロナウイルスの感染確認はされていません。
どうしても分からない時はかかりつけ医に相談しましょう。
新型コロナウイルスは正しく恐れ、きちんとその対策をしましょう。
2020年4月30日 (木) 09:23
新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言が発令されましたが、
感染拡大は収まりをみせてません。
口腔内の汚れは感染症等にかかりやすくなるため、メンテナンスは必要だと思いますが、
不要不急な治療はお控えください。
当医院では患者様一人の診療が終わった後の消毒、滅菌の徹底、窓を全開にしての換気、
その上での治療時の口腔内、口腔外バキュームによるエアロゾル感染の防止、
常時、歯科医院専用の細菌・ウイルス感染抑制装置による空間除菌を行ってます。
診療が終わるたびに必ず行うので、診療への呼び出し、会計時など
いつもよりお待たせする時間が長くなりますがご了承いただきますようお願い申し上げます。
2020年3月27日 (金) 09:43
新型コロナウイルスによる感染症が広がり、手洗いの励行など予防行動の呼び掛けが続く中、
意外に触れられていないのが、口や鼻の健康保持の大切さ。
従来のインフルエンザウイルス対策に準じた、
口と鼻を健やかな状態に保つことで体の免疫力を維持する取り組みです。
いくつかのポイントがあり朝起きてすぐ、朝食前の歯磨き。
口の中の細菌をできるだけ取り除いておくのが有効です。
口の中にすむ歯周病菌などの細菌もまた、ウイルスの細胞侵入をしやすくする酵素を出す。
口の中が汚い=細菌が多いと、それだけ感染の危険性が増すわけです。
次に鼻呼吸です。
ヒトは1日に約1万リットル(500ミリリットル入りのペットボトル2万本)分の
空気を吸い、同じ量を吐き出す。
この動作を鼻でするか、口でするか。同じようだが、その意味は全く違う。
鼻呼吸には、ウイルスを防ぐさまざまな関門が伴うからです。
とはいえ、鼻呼吸が苦手な人もいる。マスクを着けた息苦しさで、
マスクの下で口を空けている人も少なくない。
そこで「あいうべ体操」。舌の筋肉が鍛えられて舌先が上顎に付き、
自然と鼻で呼吸できるようになるといいます。
最後に口腔ケアです。
口腔(こうくう)ケアがインフルエンザ発症率の低下につながることは、
2003~04年、65歳以上の在宅療養高齢者190人を対象にした調査で明らかになっています。
歯科医師や歯科衛生士がケアを行う「口腔ケア介入群」と
本人や介護者がケアをする「従来型」を比較したところ
半年後発症リスクが10分の1に減少したとのことです。
2020年1月31日 (金) 06:55
わが国では生涯でがんに罹患する割合は2人に1人といわれており、誰しもが罹患する可能性のある病です。
治療中お口の中が乾燥することや唾液による自浄作用が低下して衛生状態が悪くなります
薬物療法では約半数近くで粘膜炎が起こります。
また、頭頸部(けいぶ)領域の放射線療法でも同様に粘膜炎が起こります。
特に重度の粘膜炎をきたした場合、強い痛みにより食事の摂取が困難となったり、
精神的なストレスの増加によって治療に対する意欲を低下させたり、
予定されている治療の変更や中止といった治療計画の遂行に支障をきたすことも少なくありません。
一方、手術前にお口のケアが行われた場合、手術部位の感染、
呼吸器感染などの術後合併症の発症を軽減することが示されています。
したがって、患者さんが安心してがん治療を受けられることに対して、
お口のケアの果たす役割は大きいと考えます。
歯科医院で行われるお口のケアによりがん治療によって生じる有害事象を軽減させ、
社会復帰を促進させる効果が期待できます。
がん治療の予定が決まりましたらかかりつけ歯科医にご相談ください。
2019年11月29日 (金) 19:06
レッド&ホワイトリボンキャンペーン2019が始まりました。
今月15日に浦和で行われた東京歯科大学の柴原教授の
「なぜ、今、口腔がん検診か? -身につけて欲しい口腔がんを疑う目ー」
の講演を聴いて、昔は希少がんと言われていた口腔がんが
増加の一途をたどっているという事実に驚きました。
写真のコップはレッド&ホワイトリボンキャンペーン2019の活動を応援して頂いたうがい用のコップです。
当医院では口腔がんが疑われる症例で専門医と協力して診断にあたる
「オーラルナビシステム」を導入しています。
1年に1度は口腔がん検診を受けましょう!