2023年1月16日 (月) 11:15
日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会による合同の提言です。
「歯磨きは就寝前を含め1日2回」「歯磨き後は歯磨き粉を軽く吐き出し、
うがいする場合は少量の水で1回のみ」としつつ、年代別の使用方法を説明しています。
歯磨き粉の適量は、歯が生えてから2歳までは米粒程度(1~2ミリ程度)、
3~5歳はグリーンピース程度(5ミリ程度)、
6歳以上から成人・高齢者は歯ブラシ全体(1.5~2センチ程度)とのこと。
これは飲み込んでしまうリスクを考慮したもので、乳幼児が誤って大量に食べたり飲み込んだりしないよう、
使用法と保管場所への注意も呼びかけられています。
2022年12月30日 (金) 18:11
昨日12/29で本年度の診療は全て終了しました。
本年度も皆様に通院していただきありがとうございました。
来年2023年も皆様のお口の健康をお守りするため、
スタッフ一同全力で診療に取り組んでいきたいと思います。
よろしくお願い致します。
弦間歯科医院 弦間 豊樹
2022年11月24日 (木) 06:59
高齢者の歯と幸福に関する先行研究は少ない状況です。
本研究では、東北大学が「歯の本数」と「歯科補綴物の使用」の2つの口腔の指標と、
自己評価による幸福感の関係について調べました。
自己評価による幸福感はwell-beingの大切な指標の一つです。
2016年調査の横断研究による178,090人の高齢者の解析の結果、歯数が多いほど幸福感が高かったです。
また、歯数が20歯以下の場合では、歯科補綴物を利用しない人に比べて、利用する人で幸福感が高かったです。
歯数が20歯以上である人たちには、歯科補綴物の利用は幸福感と関係しませんでした。
この結果は、歯の喪失を防ぐこと、そして歯が少ない人では歯科補綴物を使うことが、
幸福感を上げる可能性を示唆しています。
※本研究では、歯科補綴物の使用を、入れ歯(義歯)やブリッジ(取り外しのできない義歯)や
デンタルインプラントの使用と定義しています。
歯がないまま放置せず、左右の奥歯で噛めるようにしましょう!
2022年10月13日 (木) 09:58
近年、睡眠はさまざまな病気と関係していることがわかっている。
睡眠不足になると、がん、心臓病、糖尿病、認知症、うつ病などの
リスクが高くなると報告されていて、さらには「歯周病」にもかかりやすくなるという。
睡眠不足になると、自律神経のバランスが乱れ、病原体を排除するNK細胞の活性が低下したり、
免疫システムに広く関わるIL-2というサイトカインの産生が抑制されることがわかっている。
免疫力が低下すれば、口腔内の歯周病菌が増殖しやすい環境がつくられることになる。
また、睡眠時間が短くなると唾液の量が減少する。
唾液には、口腔内の細菌や食べ物のカスを洗い流す洗浄作用や、
口腔内に侵入した細菌の活動を抑え込む抗菌作用があるため、
分泌量が減ると歯周病を招くリスクがアップする。
米国で行われた大規模研究では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの睡眠呼吸障害(SDB)がある人は、
そうでない人と比べると、重度の歯周病を合併している調整オッズ比が無症状の呼吸障害で40%、
軽度で60%、中等度及び重度で50%高かった。
ほかにも、東北大学が高齢者を対象に実施した調査により、
残っている歯の本数が睡眠時間に影響することがわかっている。
同じく残っている歯が1~9本の人も、短時間睡眠のリスクが1.3倍、
長時間睡眠のリスクが1.5倍高いと報告している。
睡眠不足も歯周病も、がん、心臓病、糖尿病、認知症といった全身疾患のリスクをアップさせる。
健康長寿のためには、質の良い睡眠と口腔ケアは欠かせない。
2022年9月11日 (日) 09:11
上野千鶴子氏「在宅ひとり死のススメ」を読みました。
これから日本にやってくる超高齢化社会を前に色々な不安をお持ちの方は一読の価値があると思います。
通院中の患者様で様々な理由から通院出来なくなり訪問診療を依頼される機会が増え、
ご家族の皆様の大変な介護の状態を目の当たりにすることが多くなりました。
訪問診療をご希望の患者様、またそのご家族の方がいらっしゃいましたらご相談ください。
最後の章に介護保険についての簡単な説明があります。
日本の介護保険の優秀さ、その介護保険が現在危機に直面していること
等が分かりやすく書かれています。
2022年8月13日 (土) 17:43
日本小児科学会は7月21日、
フッ素入り子供用歯磨き粉の誤食による急性フッ素中毒疑いに関する傷害速報を発表した。
1歳5カ月の男児が自宅で嘔吐し、嘔吐物に歯磨き粉が少量含まれていたことから、
誤食による急性フッ素中毒が疑われた。
昨年(2021年)10月の早朝に男児が自宅で3回嘔吐し、嘔吐物に歯磨き粉が含まれていたこと、
買ったばかりの歯磨き粉が減っていたことから誤食が疑われたという。
歯磨き粉は男児の兄(2歳)が使用後に高さ約80cmの洗面台に置いたままにしており、
男児が椅子に乗って取り、誤食したとみられる。
男児は入院したが、血液検査や画像検査で異常が見られず、
飲食物の摂取が可能なことが確認されたため2日目に退院した。
フッ素入り歯磨き粉の誤食によりフッ化物と胃酸が結合しフッ化水素が形成され、
胃粘膜を刺激したことによる急性消化器症状と考えられた。
フッ素は歯質強化、虫歯予防にはとても効果があるが、
乳幼児の誤嚥には注意してうまく使いましょう。
誤食が疑われる際は、カルシウムを多く含む牛乳やアイスクリームなどを摂取することで、
胃内でフッ化カルシウムが形成され胃粘膜への刺激が防げるとしているので覚えておきましょう!
2022年7月24日 (日) 16:40
コロナ渦でスマホの使用時間が長くなり、目や肩に負担を感じる人は少なくありません。
体への悪影響はそれだけにとどまらず、コロナ禍に急増していると言われるのが「顎関節症」です。
日本顎関節学会の指導医・専門医の宮本日出先生によると
全国2500万人が顎関節に異常があると推測され、
生涯で2人に1人の割合で顎関節症にかかると言われてきましたが、
コロナ禍になり世界的に顎関節症は急増しています。
イメージしやすいあごへの負担としては
「悪い噛み癖」「食いしばり」「歯ぎしり」「硬いものを噛む」が挙げられます。
他方「これがあごへの負担になるの?」と思ってしまう負担に
「うつ伏せ寝」「頬づえ」「高い枕」「電車でのうたた寝」「爪を噛む癖」などがあります。
顎関節は強い負担でも短時間であれば耐えられるのですが、弱くても長時間かかる負担には弱いという特徴があるからです。
そして、コロナ渦になり顎関節症急増の原因の一つとして指摘されているのが「スマホの長時間使用」。
正しい姿勢の場合の下顎は、頭の真下に位置しているのであごはリラックスした状態です。
しかしスマホを操作するうちに猫背になり、下顎は頭の前方にくるので、関節の骨が前にズレてしまい顎の負担が増えます。
スマホの長時間使用は猫背や肩こり、スマホ首にも関係しているので
使用時間、頻度には気を付けましょう。
2022年6月18日 (土) 09:03
主に夏に流行する感染症の一つに手足口病がある。
患者の多くは乳幼児だが、子どもからの感染で大人が発症することもある。
手足口病の特徴的な症状は手のひらや足の裏、口腔内、咽頭にできる水胞状発疹と38度台の発熱です。
発疹はかゆみや歩行困難な痛みを伴うケース、臀部(でんぶ)に見られるケースもある。
通常は数日で解熱し、発疹も徐々に消失する。
主な感染経路は、飛沫(ひまつ)と接触です。
原因ウイルスに対する抗体を持たない乳幼児の間で感染が広がりやすいが、
一度抗体ができた大人でも、時間とともに抗体の働きや量が低下すると感染しやすくなる。
発症した子どものくしゃみなどによる飛沫、鼻水や便などから、家庭内感染する大人も多い。
特に、夏バテなどで体力が落ちていたり、糖尿病などで免疫機能が低下していたりすると、
感染リスクが高くなるので注意が必要です。
2022年5月12日 (木) 08:30
新型コロナウイルス感染症については、いまだ収束を見通せない状況ですが、
手洗い・消毒による手指衛生やマスクの着用等が
感染予防に重要であるという認識は、かなり定着してきました。
また、最近はウイルス感染対策として口腔ケアにも関心が高まっています。
さて、新型コロナウイルスは細胞由来の脂質二重膜を持つエンベロープウイルスに分類されますが、
洗浄剤にも含まれる界面活性剤がウイルス表面の脂質二重膜構造を
破壊することにより不活化されることが知られています。
同様に一般的な歯磨剤にも、「口中に歯磨剤を拡散させ、汚れを洗浄すること」を目的に、
発泡剤として、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)などの界面活性剤が含まれています。
私たちは歯磨剤中の界面活性剤により、
ウイルスが不活化され、その結果、他者への感染リスクが低減できるのではないかと考えます。
この理由については引き続きの検証が必要ですが、
歯磨剤に配合されているソルビトールやプロピレングリコールなどの多価アルコールにより、
SDSによる不活化効果が増強される可能性が示唆されています。
2022年4月20日 (水) 06:39
お子さんの安静時に口が開いている状態を指す「お口ぽかん」をご存知でしょうか。
長引くマスク生活から、親が子供の「お口ぽかん」に気づきにくく、
またはマスク内で息がしづらいことから「お口ぽかん」になりやすい、といった問題が浮上しています。
日常的に口がぽかんと開きっぱなしになってしまう状態を「口唇閉鎖不全症」といいます。
これは、口呼吸になってしまうため、むし歯や歯周病の原因、歯並びの悪化、
鼻の調子が悪くなるなど、様々な不調につながります。
口周りの筋肉は、普段何気なく行っている口の運動によって鍛えられています。
口周りの筋肉が未発達な赤ちゃんの時は、哺乳や指をしゃぶることによって発達を促します。
幼児期になると普段の食事や、風車を吹いたり、シャボン玉を膨らませたり、
口を使った遊びが口周りの筋肉を鍛えることに繋がります。
コロナ禍の状況ですから、衛生意識を持って行いましょう。
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