2023年4月30日 (日) 16:24
「ジュース類を飲むと、歯が溶ける」という説を耳にしたことがありますがこれは本当でしょうか。
ジュース類を飲むと歯が溶けるわけではなく、
口内のpHが酸性に傾く時間が長いと、歯が溶けるというのが正確です。
ジュース類のほとんどが酸性であり、コーラはpH2.2、スポーツ飲料はpH3.8くらいとされています。
数値で見ると、ものを溶かす性質を持っています。 口内は平常時、pH7の中性に保たれています。
ジュース類自体が持つ酸や、むし歯菌が飲食物に含まれる糖を分解して作り出す酸によって、口内のpHが低くなります。
そうすると、歯の表面のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出します。
この現象を「脱灰」と呼びます。 その後、唾液が食後30分~1時間かけて口内のpHの値を中性に戻していきます。
そうすると、溶けだしたリンやカルシウムが歯に戻ります。これを「再石灰化」と呼びます。
ジュース類を飲んで、口内のpHが酸性に傾く「脱灰」の時間が長いと、むし歯になるのです。
ジュース類のpHではなく、口内のpHが重要です。
一番よくないのは、だらだら飲んだり、食べたりすることです。チョコレートや飴をだらだらと食べ続けていると、
口内のpHが酸性優位な環境となり、むし歯になりやすくなります。