2012年4月25日 (水) 22:34
夏川草介氏著、「神様のカルテ2」を読みました。
映画化されたものが、嵐の桜井君が主演をしているなど、話題の本ですね。
去年前作である「神様のカルテ」を読んですぐに夏川氏のファンになりました。
主人公の栗原一止は夏目漱石を敬愛し、「24時間、365日対応」を理念に掲げた信州の本庄病院で働く内科医である。
彼の話し方、考え方は私のツボにハマってすごく感情移入しやすく、大好きです。
また、彼の細君のハルがいるから、この命を扱った医療の現場の描写もとても和ませてくれるキーパーソンだと思っています。
新たに加わった同級生、進藤先生や、屋久杉君、
前作から出てくる砂山先生や男爵、大狸先生など、多彩な登場人物も面白い。
古狐先生の件はショックでしたが、これ以上書くとネタバレなので控えます。
皆さんも是非読んでください。
読んだ人すべての心を温かくする本です。
2012年4月2日 (月) 22:33
V.E.フランクル著「夜と霧」を読みました。
著者は、第二次世界大戦中アウシュビッツの強制収容所に入れらていた
ユダヤ人の精神科医であり心理学者です。
自分がいかにして生き延びてきて、周りの人がどのように亡くなって行ったかが書かれているが、
その環境の壮絶で、一度読むことを断念するほど、 凄惨な光景が浮かんできてしまいます。
「人生とは、 各人に課する使命を果たすこと、 日々の務めを行うことに対する責任を担うことに他ならない。」
「生きることそのものに意味があるとすれば、 苦しむことにも意味があるはずだ。
苦しむこともまた生きることの一部なら、 運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。
苦悩と、そして死があってこそ、 人間という存在ははじめて完全なものになるのだ。」(本文より)
このように極限で人間がどう考えるか、どう行動するか、
その理由はどこにあるかといったことが書かれていて
読めば読むほど身につまされ、人というものの本質を突きつけられている。
二度とこのような悲劇を繰り返さないように、戦争を知らない我々の世代、
またもっと下のこれからの世代の方々も
数十年前に起こった事実を、歴史に埋もれさせず、きちんと知ることが重要だと思いました。